2017年07月10日
400.副腎摘出
2017年05月31日
398.やっぱり!!(手術と減量)
やっぱり、どんな手術だって、太っていると手術も大変だし、治りも遅いですよね。どう考えても。
太った人の手術はなぜ大変なのか?
医師の視点
中山祐次郎 5/30(火) 23:49
太った人の手術は大変です。外科医にとっても、ご本人にとっても
太っている人の手術は大変であるーーー
外科医なら誰もが同意するこの事実。
本記事では、「肥満と手術の関係」について外科医の視点から解説します。
筆者は大腸癌を専門とする外科の医師で、胃腸を切ることを専門としています。
太っていると採血するのも一苦労
記事の始めに、ここでの「太っている」がどれくらいかを示しておきます。
人間がどれだけ太っているかを考えるのに重要なのは身長と体重のバランスなのですが、
例えば
155cmで72kg,
160cm で77kg,
165cmで82kg,
170cmで87kg,
175cmで92kg以上の人をさします(※1)。
太っている人の採血をするのは、いつも大変です。
採血って、腕のひじにある細い静脈ですることが多いのですが、
太っている人だと脂肪に埋もれてしまい見えづらいのです。
このひじの静脈はだいたい3mmくらいの直径です。
太っている人でも血管の太さはあまり変わりないので、
相対的にはとても細くなります。
採血をするときは普通、目で見て静脈の青い色が皮膚から透けて見えるのを助けにします。
ですが、太っている人だとそれも見えないのですね。
見えないときは触って血管を探しますが、埋もれているためやっぱり探しづらいのです。
太っている人にやりづらいのは採血だけでなく、点滴も同じです。
点滴は採血をするような細い手の静脈に管を入れることが普通なので、
脂肪に埋もれているとやっぱり入れづらいのです。
太った人の手術は値段が違います
そしてあまり知られていない事実なのですが、
太った人の手術は値段が高くなります。
手術にもよりますが、最低でも8万円以上は高くなってしまうのです。
これは、上に書いた身長と体重のバランスよりもさらに太った人の場合です(BMI>35)。
身長が165cmの人で95kg、
170cmでは101kg以上になります。
ただし、患者さんが払う額が8万円高くなる訳ではありません。
その人が入っている保険にもよりますし、高額療養費制度を利用すると減額されます(詳しくはこちら)
しかし、値段が上がるということはどういうことなのでしょう。
手術を一件すると病院が得られるお金というのは、日本中どこでも同じで決まっています(保険診療に限りますが)。
正確に言えばここで値段が高くなるというのは、麻酔の料金が上がるのです。
つまり国が
「太っている人の麻酔は大変だから、お金を多めにつけますよ」
と言っているという意味に他なりません。
では麻酔をかける際に、
太っている人だと何が難しいのか。
これは非常にたくさんあるのでキリがないのですが、
一部をあげれば
「麻酔のために使う、患者さんに入れる管を入れる難易度が上がる」
ことが挙げられます。
例えば全身麻酔であれば、
口から気管という空気の通り道に人差し指くらいの太さのチューブを入れますが、
これがまずとても入れづらい。
さらに背中からいれる
「硬膜外麻酔(こうまくがいますい)」
と呼ばれる痛み止めの管は、
痩せている人に比べるとはるかに入れづらいのです。
痩せた人には6cmくらい刺せば入れられる管が、太っていると10cmくらい必要になることもあるほどです。
外科医にとっても肥満の患者さんは「宝探し手術」
一方、私のような外科医にとっても太った患者さんの手術は難しいのです。
お腹のなかの腸を切る手術でお話します。
腸を切るためには血管を切らなければなりませんが、
その血管はとっても豊富な脂肪に包まれています。
痩せている人であれば透けて見えるような血管も、
太った人は厚い厚い脂肪の中を少しずつ切り進んで探さねばなりません。
まるで「宝探し」のようなものです。
当然血管を傷つける可能性も高まりますし、手術にかかる時間も長くなります。
それ以外にも、あらゆるところで脂肪がせり出してくるために胃や腸などの重要な臓器が見えづらくなります。
見えづらいということは、傷つける危険が増すということです。
こんな理由で、
外科医にとっても太った患者さんは手術が難しくなるのですね。
筆者の感覚でいえば、
30分や1時間は痩せた人より手術の時間がかかってしまいます。
痩せるための手術もあります
これは余談ですが、
病的に太った人
(上記した、身長が165cmの人で95kg、170cmでは101kg以上の人です)
のために
「痩せる手術」
というものがあります。
これは、美容外科などで行われるいわゆる
「脂肪吸引」
のようなものではなく、
胃を切るという根本的な手術になります。
腹腔鏡下袖(スリーブ)状胃切除術という手術が保険で認められたこともあり、外科界では今この減量手術が注目を集めています。
この手術は肥満の患者さんの胃を半分以上切り取るという手術で、
今後、病的なまでに肥満になった人に手術が行われるようになるでしょう。
この手術は
BMI(BMIは体重Kg÷身長mの二乗(=Kg/m2)で計算します)が35以上の人
に適応になります。
以上、太った人の手術の問題点についてまとめました。
(※1)BMI(Body Mass Index)=(身長m)/(体重kgの二乗)>30です。
なお、本記事は減量手術を推奨する意図はありません。
また、わかりやすさを優先したため、表現の一部では医学的な厳密さを欠いている可能性があります。
2017年03月15日
373.そううまくは問屋は卸さない。血圧の下が上がってきた。
2017年03月03日
369.痩せると痛くなるところ
2017年03月02日
368.私のPAは治っちゃったのだろうか☆
もうひとつ考えられるのは、
2017年01月02日
334.「原発性アルドステロン症(PA)のことを考える」のが私の趣味
2016年12月31日
332.今年のまとめ(PA)
そして、その後、わかったことがありました。
だから、
さて、
2016年12月01日
293.現時点での疑問点を書いておこうかな
【スクリーニング(最初の振り分け検査)について1】
【ARRについて】
[判断基準]
アルドステロン(PAC)基準値:
レニン活性(PRA)基準値:
アルドステロン/レニン活性比(=ARR):
【AVSの時間帯について】
2016年11月08日
280.スピロノラクトンと乳癌(考え方の約束・・・)
15.その他の注意
(1)夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ま しい。
〈解説〉
乳癌リスクの上昇が懸念されているスピロノラクトンについて、英国の55歳以上の女性約130万人のデータを分析した研究で、スピロノラクトン服用と乳癌罹患の間に有意な関係はないという結果が得られた。英Dundee大学のIsla S Mackenzie氏らが、BMJ誌電子版に2012年7月13日に報告した。
アルドステロン拮抗薬であるスピロノラクトンは、心不全や高血圧の患者に長期にわたって投与されることが多い。スピロノラクトンの一般的な有害事象の一つが、男性では女性化乳房、女性では乳房の圧痛だが、一部の研究は、乳癌の発生を促進する可能性を示唆していた。そのため、多くの医師が、乳癌歴のある女性や乳癌リスクの高い女性にはスピロノラクトンの処方を避けている。
著者らは、55歳以上の女性がスピロノラクトンを服用した場合の、乳癌罹患リスクへの影響を明らかにするために、後ろ向きのマッチドコホート研究を実施した。
英国の一般開業医研究データベースに登録されていた、55歳以上で乳癌歴のない女性患者のうち、55歳以降にスピロノラクトンの処方を2回以上受けていた女性をケース(服用群)とし、初回処方日をindex dateに設定した。次に、ケース1人当たり2人のコントロール(対照群)を選んだ。ケースと同じ開業医を受診している患者のうち、生年がケースと同じで、社会経済学的スコアが同じ五分位群に属し、同じindex dateからの追跡が可能だったスピロノラクトン非服用女性をコントロールとした。
主要転帰評価指標は、非浸潤性乳癌も含めた新規発症乳癌に設定し、英国で診断名の登録に用いられているReadコードを用いて同定した。2次評価指標は、非浸潤性乳癌を除く新規発症乳癌とした。
共変数となる、年齢、組み入れ年、社会経済的地位(タウンゼントスコア)、経口避妊薬またはホルモン補充療法歴、良性乳房疾患歴、飲酒習慣、BMI、乳癌家族歴、乳癌リスクを下げる可能性のある薬剤の使用(アスピリン、メトホルミン)、女性化乳房を引き起こす薬剤の使用(ジゴキシン、フィナステリド、シメチジン、ニフェジピン)、高血圧歴、心不全歴、糖尿病歴などに関するデータはindex dateの時点の情報を収集した。
プライマリケア557施設を受診していた129万625人における乳癌の新規発症は、840万人-年の追跡期間中、2万9491人に認められた。年間罹患率は0.35%になった。
スピロノラクトンを服用した女性は2万9381人。そのうち登録からindex dateまでに乳癌を発症していた女性を除く2万8032人を服用群とした。スピロノラクトンを服用しなかった対照群は5万5961人選出できた。
服用群の49.6%はスピロノラクトンの処方を12回以上受けていた。最大用量が25mg/日だった患者が43.4%、50mg/日が26.3%で、100mg/日だった患者は17.2%だった。
index dateは1987年から2010年まで幅広かった。各年の初回処方患者数を比較すると、英国では1999年以降にスピロノラクトンの55歳以上の女性への処方が大きく増加していたことが明らかになった。
スピロノラクトン服用群と対照群を平均4.1年追跡して、未調整の乳癌年間罹患率を求めたところ、それぞれ0.39%と0.38%になった。Time-to-event分析し、共変数で調整すると、服用群の乳癌のハザード比は0.99(95%信頼区間0.87-1.12)になり、リスク上昇は見られなかった。
サブグループ解析でも、スピロノラクトン服用が乳癌の有意な危険因子になる患者集団は見つからなかった。非浸潤性乳癌を除外しても結果に変化はなかった。
得られたデータは、長期的なスピロノラクトン投与で、55歳以上で乳癌歴のない女性の新規発症乳癌のリスク上昇は見られないことを示した。
原題は「Spironolactone and risk of incident breast cancer in women older than 55 years: retrospective, matched cohort study」、概要は、BMJ誌のWebサイトで閲覧できる。
というふうに書いていらっしゃいます。
ああ!!「〇〇」という先生の言った単語を忘れてしまった!!
〇臨床研究のデータ分析以外に医学が証拠として依拠しうるものはない(「Evidence-Based Medicine」=EBM)
〇「根拠に基づいた医学は、直感、系統的でない臨床経験、病態生理学的合理づけを、臨床判断の十分な基本的根拠としては重視しない。そして、臨床研究からの根拠の検証を受容する。」
③たくさんの医療関係者に聞いたけれど、全員「関係なし」っておっしゃった。
というところで、私はいつか、誰かは、
2016年10月29日
272.具体的に医療の内容が変わった瞬間
2016年10月26日
268.大病院は・・・
大病院について。
2016年10月25日
267.アルダクトンAと乳がん
「乳房腫瘤、乳房痛 」
(2)ラットに 24 カ月経口投与した癌原性試験において内分泌臓器の腫瘍及び肝臓の増殖性変化が みられたとの報告がある。 また、長期間服用した患者(男女とも)に乳癌が発生したとする症例報告がある。
〈解説〉
まー、「報告はあるけれども因果関係が認められたわけじゃない、でも、ラットでは増殖性変化が認められているよ」
2016年10月23日
265.お手紙を書こうかな。
2016年10月21日
261.本来は厳密に制御されているのがホルモン
2016年10月20日
260.原発性アルドステロン症の薬と手術と病院と
さて、手術については、
2016年10月19日
259.原発性アルドステロン症の簡単なまとめ(私の気持ち入り)
原発性アルドステロン症は、複雑だけどシンプルな病気です。
投薬の場合も2択です。
手術したい場合は、片側性でないとふつうはできません。
この病気は本気で取り組んでいる病院がいくつかあって、
私は、アルダクトンA(スピロノラクトン)50mgを毎朝忘れず飲んでいます。
2016年10月17日
257.原発性アルドステロン症はやっぱり珍しいのかな。
2016年07月10日
134.休薬11日目 PAが自然寛解する可能性の希望的観測
